Nereide Design Blog

比較的タイムリーな話題をじっくり取り上げる「長考型」ブログです。
スポーツは自由民主主義の産物であり、サラブレッドの血統は歴史的建築物に等しい文化遺産である、という考え方に基づいて執筆しております。
まれに勘違いをしている読者がいて困惑するのですが、これはただの一般市民のブログです。プロの物書きでもないので、自由に気楽に、あくまで趣味の範疇で書いております。サッカーについて書くのは、賃金を得ない門外漢の一般素人ファンでもこのレベルの文章は書けるという実践を通して、スポーツ紙記者等へのアンチテーゼとなるかと考えて当初より継続しております。
(ちなみにトラックバック、コメントについては、スパム以外は全て公開するスタンスで対応しておりますので、勘違いなきよう。)

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4月のレクイエム

2011.04.06 Wednesday 22:06
馬産地にいると、馬の存在は身近になりますが、馬がいるという現実に慣れるのは怖いな、というお話でございます。

競馬場でレースを見ていて馬の死に直面することは特別珍しい事ではないのですが、馬産地では誕生は容易に目にすることはできても、死が表に出ることはかなり少ないものです。

しかしながら、馬の世界は死と隣り合わせ、そしてサラブレッドの死は本当にあっけないというのを改めて実感しましたし、これだけ馬に手をかけ関係を築き、技術を尽くしても、起きてしまうことは起きてしまうのだという厳しさも、ひとりの傍観者に過ぎない私であっても痛感しました。


馬の死亡事故というのは、さほど危険なシチュエーションでなくともあっさり発生します。
ヒヤリもハットも存在しません。
そこは他の物事とは全く違うところであり、サラブレッドという動物の難しさなのだと思います。

ですから、普段新聞雑誌などで馬の事故という記事を目にしても、くれぐれも「厩舎や牧場、担当者がヘタクソだったから」と皆さん早合点はしない方がいいと思います。

今日、私が現場に居合わせた深刻なアクシデントは、暖かい昼下がり、馬にリードをつけて外に出し、担当者とアシスト役までいた状態で、やや不規則ながら左右に小足を使っていた2歳馬を静止させていた時に起きました。
リードを持つ人の何気ないアクションに過剰に反応した馬が大きく立ち上がり、バランスを崩して激しく転倒。
たったそれだけでも馬の体重は相当なもので、頭部から大量出血してしまい手の施しようがない大怪我でした。

普段とほとんど変わらずいつも通りに扱っていても、馬は自らを絶命に追い込むほどの信じられない力を出してしまう事ができる動物。もうそうなってしまっては人の力では制御できるレベルではないのです。


単なるアンラッキーでは済まない事であり、少し落ち着いてから、いくつかの技術的な原因と、道具面での工夫を聞くことができたのですが、これを防げたかもしれない方法が存在する事は確かですし、施設面でも防げる方法があったのかもしれません。

例えば、馬によっては、施設の木の扉が風に煽られて、ゴンゴンと音を出しただけで、我を忘れるほど暴れる馬もいるのです。今回の馬は特別そういうタイプの馬でした。
(申し添えておくと、此処は普段から精神面の馴致トレーニングを欠かさないところで、ゲートに入れてあらゆる角度からガサガサ、ゴンゴン音をさせても全く平気なレベルまで鍛え育てる所です。)

また馬産地でもポピュラーな、馬を歩かせる時に制御に使うチフニービットですが、今回のケースではこれが極端に馬に合わなかったのではないか、という事も考えられました。
道具も良し悪しで、特に気の小さい馬には注意しなければならないのです。


このように、ありとあらゆる馬と人に事故が起きるのではなく、特有の要因となるいくつかの点も存在するように思います。

そして特に大切なのは、馬の個性をしっかり見分ける事、馬を扱う時はソフトにソフトにと心掛ける事。
馬と過ごす毎日、誰しも気持ちの波がないはずはありませんが、そんな気はなくとも結果的にワンアクションを間違えてしまった事で、本当に取り返しの付かないレベルの事故も起き得るという事を実感しました。
馬は何かがきっかけで想像もしないアクションを起こしますし、リミッターがぶっ飛んだバカヂカラを出してしまう馬が確実にいるのです。


そんなこんなを目にしながら、私はその10分後には弁当を完食し、気を入れなおして業務をこなせてしまったのは、性格が無神経なのか、傍観者であった気楽さなのかは分かりませんが、やはり馬産地での馬と人の関係とはそういうものだと思いますし、少しこの世界に慣れてきたようにも思え、自分を見つめ直すきっかけにもなりました。


感傷に浸る間もなく、着実に関係各所に連絡する人、最後まで事故馬を看取る人、そしてスタッフ個々が淡々と後片付けをする様を見て、馬と共に生きる人達はさすがに立派でした。
これも馬の世界の一幕だと思います。

JUGEMテーマ:競馬
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